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人は人に生かされている | 山本もちかたブログ
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人は人に生かされている

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令和3年12月28日から12月31日の4日間、年末のご挨拶回りを大阪府議会議員西田薫先生の運転手として同行しました。

年末のご挨拶回りは、今年一年お世話になった感謝を伝え、新しい年もよりよい関係を続けていくために欠かせないものです。

当然、民間企業でもあります。ただ政治の世界は少し様子が違います。民間企業での取引先とは異なり、ご支援ご声援をいただいている方へのご挨拶、訪問先の方から逆に労をねぎらうお言葉をいただく。

政治家が、この一年どれほど頑張ったのか分かる期間とも言えます。

私自身、この一年どれほどのことをしたのか。考えさせられます。

そして、この期間も気温が低く寒い日が続いていました。

ふと、雪がちらつく空を見上げると過去の記憶が蘇りました。

大学生時代、日本で唯一の夜間の美術大学として 東京 世田谷区上野毛で開校していた多摩美術大学造形表現学部に通っていました。

昼間は仕事をして、夜は大学で授業を受ける。そんな毎日を過ごしていました。大学では映像デザインを専攻し、選択した授業で講師をしてくださっていて、今年2021年に亡くなられた石 茂雄先生が出した課題として、自分の好きなテーマをもとにひとつの映像作品を制作するため冬の寒い日に東京 渋谷駅でホームレスの方に取材をしていました。

話の途中ですが、この場をお借りして、改めて、石先生に心よりご冥福をお祈り申し上げます。

そもそも私がこの大学でデザインを勉強していく中で、ひとつの答えがあります。

デザインとは、「ひと」の生活を豊かにするもの。「ひと」の生活とは、そこに住んでいる「まち」のこと。言えばデザインの最終目標は「まち」をつくることです。

そう考えたときに、まずは「ひと」にフォーカスを当てることは必然でした。

話を東京 渋谷駅のホームレスに戻します。

何人かのホームレスの方に声を掛けた後、カメラでの撮影をホームレスの方から許可をいただき取材を始めました。とは言っても差し入れのお酒や食べ物を一緒に飲み食いして世間話をしただけです。そんな私にホームレスのおっちゃんが、アスファルトに直で座ったら寒いからと私に貴重なダンボールを分けてくれました。

その後、夜中は寒くて凍え死ぬので渋谷駅の地下道で寒さをしのげる場所があるということで移動をしました。

行ってみるとそこには、多くのホームレスの方がいらっしゃいました。

その中でダンボールを敷いて座れる場所に移動して、また世間話をしました。

おっちゃんに、この後はどうすのか尋ねると、「ボランティア団体の人がおにぎりを配ってくれるんだよ。」というので、私もいったいどんな風にどんなものが配られるのか確認したくなり、一緒におにぎりをもらうことにしました。

本来であれば必要ない人がもうべきものではないのですが、どうしても同じ目線で経験したくなり、待つことにしました。

朝の4時過ぎぐらいにひとりの男性が台車にたくさんのプラスチックのパックに入ったおにぎりを持って来ました。

その男性は、ダンボールに座っているホームレスや寝ているホームレス一人ひとりに淡々と配っていました。ホームレスの方も当たり前のようにおにぎりを受け取っていました。

そして、私のところにもその男性は来て、特に気にする素振りもなく普通に私におにぎりを渡してくれました。

ホームレスの男性と一緒におにぎりを食べているとき、目つきの悪い中年の男性が声を掛けてきました。「にいちゃん、ホームレスか?今日このあと8000円日払いの現場あるけど来るか?」と言ってきました。私はホームレスの取材が目的だったので断りました。中年の男性は他のホームレスを見渡し、覗き込んでいましたが、結局、他に声をかけている感じはありませんでした。私に声を掛けたのはおそらくその場にいたホームレスで一番若かったからだと思います。どこの世界もそうですが、年齢という障壁はあります。しかし何かにチャレンジする。それは年齢関係なく気づいたときに決断できれば、その人の最善のきっかけには間違いありません。

その後、ホームレスの男性とは別れ、そのおにぎりを配っていた男性のもとへ行きました。

おにぎりを配った男性にカメラを回しての取材を快諾していただき、お話を聞くと渋谷にあるキリスト教会の援助で信者の方がおにぎりを作って、配給する団体に渡しているとのことでした。

男性からの取材が終わるころには電車の始発が動き出していました。日の出が出る前に渋谷駅を後にしました。

私は、この取材の映像を大学の授業に提出し、プレゼンで、「人は人に生かされている」このことは誰にとっても疑いの余地がありません。でも、それを強く感じる瞬間とは何でしょう。
と問いかける作品に編集しました。

今でもそうですし、今後もそうだと思いますが、大学での経験は多くの価値観を形成してくれました。そして、それが今の私の原動力になってもいます。

毎年、年末になると、大学時代の経験からいつ何時自分自身がホームレスになるかもしれないと考えてしまいます。様々な理由でホームレスになることがあります。ときにそれは不可抗力なこともあります。

私たちの生活に保障なんて何もありません。しかし、それでもどこかで安全な生活を求めて生活をしているのが人の常だと思います。

だからこそ、人は努力をします。だからこそ、人は頑張ります。

でも、努力や頑張りは他人が評価します。それだと自分自身が満たされない。だから、人は、自分と約束します。

例え、結果が出なくても努力は必ず報われると信じコツコツ毎日、自分が出来ることを頑張ります。

皆様も何かに行き詰ったら自分と約束をしてみてください。いや、結果的に知らず知らずのうちに、自分と約束はしています。

そして、人から評価される瞬間。その努力、頑張りが報われるときです。

しかし、ときにはホームレスに転落することもあります。
そのとき見て見ぬふりをせず、手を差し伸べられる人でありたいと思います。

人は人に生かされている。どんな形であれ。

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